アドベンチャーゲームの入江

アドベンチャーゲーム(ADV)を600本以上持つ筆者が、商業ゲームプランナーの視点からADVを紹介するブログ。ギャルゲーからミステリまでADVならなんでも。

PS4・新作アドベンチャー/ギャルゲー紹介&感想 ★4~次世代恋愛ADV『Song of Memories』の時間だ!

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年末年始にアドベンチャーゲームはいかが?

PlayStation 4 で遊べるアドベンチャーゲームの紹介記事第4弾。

2017年、パッケージの作品では19本のADVが発売しました。
うち、この記事を含めると13本紹介したことになるようです。意外と頑張ってました!

今年最後の更新として、「次世代恋愛ADV」を含む恋愛ADV特集をお送りいたします!

 

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となりに彼女のいる幸せ ~Two Farce~

【ここにあるのは、彼女との特別な時間―】

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安い。2000円ちょっとで買えるPS4ソフト。
安さの理由はヒロインが1人だけだから。


・・・そして、選択肢も1つだけ。

ヒロインが1人しかいないからこそ、多くの選択肢を設け
2人の関係をより深く描いていくのかと思っていたのに、がっかりです。

安価で1人ヒロインの作品が2月にも発売が予定されているのですが、
この調子だと期待は出来ません。

主人公とヒロインとの距離がデフォルトでかなり近いのも気になりました。
いくら同じ部活に2人きりとはいえ、馴れ馴れしくなるのが早いのでは。
とにかく、2人が仲良くいちゃこらしているのを見せられているだけ。

ヒロイン1人だからこそ、ってところを期待していたので非常に残念。
アドベンチャーゲームとしての、そもそもゲームとしての価値をどこに見出したらよいのか。

(c)プレカノ / ENTERGRAM
2017.11.22 発売

 


 

星織ユメミライ Converted Edition

【あふれる「好き」が、ふたりの「未来」へ。
 星のように巡りあう、あなたの恋の物語】

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 「星」が夢と未来を繋ぐから、『星織ユメミライ』。
最初はタイトルの意味がよくわからなかったのですが、
ゲームクリアすると思った以上にストレートだったことに気付かされました。

PCからの移植されたPSV版のHD化。
個別ルートに入ったらまたまた一本道。(1キャラだけ違うらしい)
しかもヒロイン選択は1つの選択肢だけな気がしました。
以前書いた、「ADVの面白いところ」の記事で触れましたが
ADVは「世界を自分の手で展開させられる」ことが良いのに、選択肢が無いのは本当に勘弁願いたい。
それこそ星に願いたい。

エンディング後、アフターストーリーに直結しているのですが
完全に「お前らさっさと爆発しろよ」となるだけでした。
星の勉強と「何を見せられているんだ・・・」という感情を味わえるソフトです。

「見せられているだけ」。どこかで書いたような・・・?

(c)2017 tone work's/VisualArt's/PROTOTYPE
2017.09.14 発売

 

 

 

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月に寄り添う乙女の作法 ~ひだまりの日々~

【女装×主従×学園 ハイソサエティ学園潜入ラブコメが待望のPlayStation4に!!】

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女子生徒しか通えない服飾の専門学校に、お嬢様のメイドに女装して乗り込む!

パッケージによれば、
「素性(おもに性別)を偽ったまま、屋敷と学園の二重生活を無事に過ごすことが出来るのか?」
と書いていますが、
性別がバレる危機が畳み掛けられるわけでもなく
たまに危ない感じのイベントが挟まれるだけ。

選択肢でその点についてどうこうなるものも一切無し。

むしろ、プール(つまりは更衣室)も風呂も共にして誤魔化せるのはおかしいだろうという
ツッコミどころが満載である。

『星織~』の主人公は建築家を志しており、
今作の主人公は服飾デザイナー、特に「パタンナー」という、型紙作成のスペシャリストを目指している。
最近はこんな感じの夢を主人公に持たせるのが流行りなのでしょうか?

メインヒロインのルナの芯が通っていて格好良いです。
いつものように選択肢ほぼ無しです。

(c) Omegavision, Inc./dramatic create
2017.10.26 発売
 

 

 


 

千の刃濤、桃花染の皇姫

【歴史の果てまで、貫く忠義。】

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舞台設定が日本によく似た世界です。国の創造とか皇帝とか不平等条約とか。
IF世界な日本を楽しめます。

選択肢が5個くらいしかない。6回エラー落ちした。許さん。

国を売った仇敵を討たんとしていたが、
その敵は実は・・・というあたりの、中盤くらいまでがピークな感じ。

後半は超能力バトルみたいになってしまってなんだか。

メインヒロインのルートが「ファイナルエンド」扱いになってますので
事の顛末だけ知りたいかたはメインヒロインを追っていきましょう。

少しでも他のヒロインに寄せようとするとそのルートへ行ってしまいます。選択肢が少ないからですね。
今回はそんな話ばかりしている気がします。

それぞれの「忠義の貫き方」が熱い作品です。

(c)ARIA
2017.12.21 発売

 

 


 

Song of Memories

【もう戻らない、かけがえのない時間】

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2017年の恋愛ADV大本命と言えるでしょう、
完全新作にして公称「次世代恋愛ADV」。


どの辺が次世代なのかというと、
E-mote という、静止画を動かす技術をフルに活用した「動きのある」アドベンチャーゲームに仕上がっているところ。
立ち絵だけではなくスチルでもキャラクターが動きます。

実際に見てもらうのが早いので動画を貼ります。


不自然に動かしすぎな場面もありますが、今後の作品がどうなっていくのか楽しみになりますね。

選択肢も多数存在。PCからの移植とは訳が違います。
そして、「チャート」と呼ばれる、イベントシーンの時系列・選んだ選択肢・選択肢が正解か否か の表示が搭載。
『Missing Blue』のトンキンハウス作品にあった、物語の進行表示を恋愛ADVに特化し、
より自身のみで攻略しやすいように改良したもの・・・とでも言うべきでしょうか。
プレイヤーに選ばせつつも、攻略のハードルを少しでも下げようとしているあたり、次世代な折衷案といったところでしょうか。

肝心の物語は、楽しい学園生活が崩壊する第二部・・・「もう戻らない、かけがえのない時間」が本番。
「新人類」と呼ばれる、理性を失い異形の姿に変貌する未知のウイルスへの感染が発生。
第一部やパッケージからは想像も出来ない荒廃、街も人々の心も荒みきる。

この限界状況の下で迫られる「究極の選択」が、本作の最も深いところ。
本作の固有ジャンルは「愛か平和か究極の戦闘恋愛アドベンチャーゲーム」。
どうしてこんなことになってしまったのか・・・そんな葛藤が描かれます。


但しこの葛藤、「戦闘シーン」の面倒さで描こうとしていた気がします。
「戦闘」とは、「新人類」に対しリズムゲーで攻撃をするという某ロンパで見たようなサブゲーム。
主人公は「どうして・・・!」という意志で戦っていると感じられるのですが
戦闘にかかる時間が長すぎてこっちはダレてしまう。
さすがに思う所があったのか、発売半月ほどで戦闘をカット出来るアップデートが来ています。
なので、今プレイするとより物語に入り込めるのではないでしょうか。


残念なのは、この「究極の選択」の中身がルートによって一貫していないこと。
たった1人を選ぶのか、全員を選ぶのか・・・など、
本作に挑むうえで選ぶ結末がプレイヤーの中でブレてしまう。
文脈を読まされていたのだろうか・・・?

メインヒロインの個別ルートでおおよその謎が解明されます。
悠乃ルート→花音ルート(メイン) くらいでいいような気がします。

戦闘が果てしなく怠いので、アップデートしてからプレイするのを推奨します。
なお、2018年2月中に、Nintendo Switch にてDL専売で配信される予定となっております。

(c)Future Tech Lab Co.,Ltd.
2017.04.27 発売

 


 

2017年も最後まで読んでいただきありがとうございました。
来年もこの特集シリーズは継続していくつもりです。
また、時間の許す限りADVのトピックを拾って記事にしていければと思います。

来年初頭、あのレジスタが Nintendo Switch 参入第1弾として
DL専売でADVを発売することが発表されております。
これを機に Switch の DLソフトのADVを追っていこうかなとも。

それでは。

 

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