アドベンチャーゲームの入江

アドベンチャーゲーム(ADV)を600本以上持つ筆者が、元ゲームプランナーの視点からADVを紹介するブログ。ギャルゲーからミステリまでADVならなんでも。

【ADVコラム】エンディングテーマの歌詞が「繋がっている」作品は素敵。

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みなさん、ADVでエンディングが流れている間、どうしていますか?

スタッフロールを眺めていますか?回想されるCGを見ながら物語を振り返っていますか?

私は、エンディングテーマの歌詞をじっくりと聴いています。

元々歌詞を読み込むことが好きなのでゲームでもやっているのですが、たまに「エンディングの歌詞がゲームと繋がっている」ものがあります。私はこのような作品がとても素敵だと考えています。

だからこそ、『Ever17 -the out of infinity-』は Dreamcast 版と PS2 版を勧めるわけなのです!というのもあわせ、そんな素敵な作品をいくつか紹介します。

 

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『Missing Blue』 / ♪ I don't know the truth

『Lの季節』でお馴染みトンキンハウスから発売された『Missing Blue』のエンディング『I don't know the truth』を歌うのは、「この世であなたの愛を~」というフレーズが有名な、名探偵コナンのOP『謎』も歌った小松未歩さん。

本作は【幻想への誘い…… ……現実への回帰】というキャッチコピーの通り、幻想と現実の狭間に揺らぐ物語となっています。特徴は IPS (Image Projective System) で、特定の箇所で自身から追加の選択肢を展開することにより「幻想」または「現実」へ近づいていくというもの。

『I don't know the truth』には、

「どうしてそんな優しい言葉くれるの 信じることが苦しいのに」

「どうして強く責め立てようとしないの 君のを壊しかけたのに」

というフレーズが出てきます。「信じること」「夢」は作中の大事なキーワード。
更に、『I don't know the truth』というタイトル通りの仕掛けも存在しています。これには是非皆さんで辿り着いてください。

 

『Memories Off 2nd』 / ♪ オルゴールとピアノと

『Memories Off』シリーズの楽曲はどれも本編とかなりリンクしているのですが、個人的に一番好きなのが『Memories Off 2nd』のエンディング・『オルゴールとピアノと』。

メインヒロイン・白河ほたる役の水樹奈々さんが歌うエンディングには、『Memories Off』シリーズを通して鍵となっている「冷たい雨」というワードが出てくる他、

小さなこの箱から流れてくる I wish 想い出のメロディ」

告白のもケンカした事も全部 大切なもので いつまでもそばにいたい」

プレイしたかたなら必ず意味がわかる、彼女との大切な想い出たちも散りばめられています。

 

『Steins;Gate 線形拘束のフェノグラム』 / ♪ あの夏の日の想い出

『Steins;Gate』のエンディングと言えば、無印版の真エンド・『Another Heaven』を推す声が多いのではないでしょうか?確かに『Another Heaven』はその演出含め素晴らしいエンドですが、スピンオフ作である『線形拘束のフェノグラム』のグランドエンディング・『あの夏の日の想い出』も忘れられない一曲。

『線形拘束のフェノグラム』は、シリーズの様々な登場人物にスポットを当てた短編集。この曲が流れる最終シナリオは、とある意外な人物が主人公となります。

『Steins;Gate』の物語が展開されたのは7月下旬から8月。そう、「あの夏」なんです。「あの夏」に私達はどんな体験をしたでしょうか?そしてそれは、「見ていた」彼女にも多大な影響を与えた夏でした。歌詞は

優しい嘘がヴェールになって 大切に守られた命よ」

忘れられずに苦しくなって ひとしずく落ちてゆく涙よ
 目には見えない愛遠くで 見守ってくれる

と、まさに彼女のことが歌われています。「あの夏」に彼女は何を見て、何を思ったか。是非最終シナリオでそれを感じてみてください。

余談ですが、私はこの曲で Zwei というバンドを認識しました。その前に『Robotics;Notes』で『拡張プレイス』を聞いていたのですがね…。

 

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『Myself;Yourself』 / ♪ Myself;Yourself

『Myself;Yourself』は、転校先の東京から5年ぶりに帰ってきた主人公・日高佐菜とその幼馴染たちとの関係を描く作品。5年という月日は皆を変えてしまったが、中でも初恋の相手・八代菜々香は、明るい笑顔・白く可愛らしい服装から冷徹で無表情・カラスのように黒い服へと変貌してしまっていた。

この曲は、そんな菜々香ちゃんの苦しみ・想い出・再会・恋・未来を表現した、まさに彼女のための一曲菜々香との物語を見てきた後に歌われるこの曲は感動すること間違いなし。

ゲーム自体はそんなに良いわけじゃないんですが、エンディングテーマだけは本当に素晴らしい作品。是非攻略して聞いてみてください

 

『北へ。 ~Diamond Dust~』 / ♪ 世界中ヲダキシメテ

『北へ。』シリーズの特徴は、ヒロインとの「ひと夏」限定の恋ということ。夏休みを利用して北海道にやってきた主人公と、それぞれの地方に住む女の子との恋を描くわけですが、当然期間が限定されています。

ルートに入ることが出来れば冬に再会することになりますが、それでも主人公は北海道の住人ではない…。そんな、離れてしまう彼に対する恋心を、ヒロインからの目線で歌っているのがこの『世界中ヲダキシメテ』。

「忘れないで 私のこと 星降る夜の あなたの言葉信じるわ」

「忘れないわ あなたとのこと 初めてだった あんなに素敵なことばかり」

「あなたが私抱きしめた あの時あの場所あのまま」

こんなに彼女たちの中に爪痕を残したのだから、忘れないであげてください。帯広ルートが強烈すぎて逆に忘れられない

 

『この青空に約束を―』 / ♪ さよならのかわりに

本作を名作だと思っている理由として、エンディング・『さよならのかわりに』の存在が非常に大きいです。

「約束された破滅」に向かい、最期まで全力で、笑顔で過ごした主人公とヒロインたちとの物語。
その締めに流れるこの曲はズルい。こんなん聞いたら泣くに決まってるじゃん。演出を考えたひとも、オーダーに応えた声優さんもすごい。

グランドエンドなので全ヒロインを攻略する必要がありますが、攻略難易度は非常に低いので簡単です。しかも、泣きゲー要素があるので単純にいい話でもあります

何度も言いますが、自分で攻略して聞いてくださいね。

 

『Ever17 -the out of infinity-』 / ♪ Aqua Stripe

『Ever17』が、電源を入れた瞬間からエンディングの終わりまでとにかく完璧だと思っているその「終わり」の部分が、この『Aqua Stripe』にあります。

何を書いてもネタバレになってしまう上、Aqua Stripe というワードを検索するだけでネタバレを踏む危険性が高いので要注意。

この曲に関して1つだけ言うならば、この歌詞あのひとが歌っていることに非常に大きな意味があります。

 

で、『Aqua Stripe』が流れるのが残念ながら Dreamcast 版と PS2 版のみ(無印・PREMIUM EDITIONでの差は無し)。PSP 移植版と Xbox360 リメイク版では変わってしまっています。悪いけど、それではダメなんだ…!『Aqua Stripe』だからこそ意味があるんだ…!だから、DC か PS2 で遊んでほしい。

 

エンディングをゲームや物語から独立して捉えるのではなく、それすらも表現のひとつとして組み込んでいる『Ever17』は、やはりマイ・オールタイム・ベストと言える作品。

『Ever17』はどんな作品よりも、自分でプレイしないと意味が無い作品。決してネタバレを踏むことなく、自身の手でこのグランドエンドに辿り着いてください。

 


 

エンディングはこのようにゲーム内容と密接に繋がっている場合があるため、「オープニング集」という動画があっても「エンディング集」は殆ど無いと思います。

そんな中この記事では、敢えてエンディングテーマから作品を紹介しました。みなさんもゲームを勧める際に「エンディング曲が世界観を表していて深い!」みたいな視点からオススメしてみるのはどうでしょうか?

古来より「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、最後の楽曲で評価が変わることもあると思います。少なくとも私は評価の一部としています。

ただしこの記事で忘れないでいただきたいのは「この楽曲がいい!」ではなく、「ゲームを自分でクリアして聞く楽曲」に意味があるということです。ゆめゆめ、曲名で検索して音源を探すだけ~などはされないようにお願いします。

 

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