PlayStation 4 で遊べるアドベンチャーゲームの紹介記事も、第3弾となりました。
『Occultic;Nine』の発売を控え、皆様どうお過ごしでしょうか?
私は、Switch の『マリオオデッセイ』をやりながら、10/26発売の『月に寄り添う乙女の作法』もクリアしておきました。
前回の「ADVのいいところ」記事に書きましたが、ギャルゲーでも一本道はやめてくださいね。
また機会を改めて紹介します。
さて今回はギャルゲー臭ほぼ無し!うぷぷぷぷな裁判や「くそったれ」なゲームの紹介です。
初回に比べ内容が相当長くなっている気がしますが・・・早速はじめます。
ダンガンロンパ1・2 Reload
【学級裁判開廷!!!!
仲間を殺した犯人だけが卒業できる―驚愕のコロシアイ学園生活!!】
PSP で発売された『ダンガンロンパ』『スーパー ダンガンロンパ2』が
PSV にカップリング移植されたのち、それが PS4 にもやってきました。
当初は『逆転裁判』のフォロワーのように見ていましたが、
今や本作のフォロワーも生まれているという礎的作品。
『逆転裁判』は、何度も「逆転」を繰り返して真実が見えてくるというのが基本でした。
それと比べて『ダンガンロンパ』は、「論破」というワードが冠されている通り
丁寧に議論を積み重ねて真実を求めていく内容となっております。
その堅実さとリアルタイムに放たれる証言達は、宛ら現実の会話のよう。
しかし、逆に結果が見えている場面ではこの丁寧さがもどかしく感じてしまうジレンマ。
事件の操作の基本はポイント&クリック式ですが、
調べられる箇所は表示されるのでそこまで大変ではない。
裁判では先に少し触れましたが、諸々の発言がリアルタイムに、画面上をスクロールしていきます。
ここに潜む矛盾に対し、自身の持つ手がかりを「弾丸」として打ち込んでいくわけです。
この発言のテキストも、ただ右から左へ流れて終わりなどではなく、
その内容にそったユニークな動きをしたり、大声での主張なら大文字で震えるといった
趣向を凝らした表示をしてくるので退屈させません。
2作収録されていますが、個人的には圧倒的に1のほうが好きです。
資料という資料殆どにプレイヤー自身が目を通すことが出来る点が非常に大きい。
詳しく言及することは避けますが、とある大きな謎に迫る際に
様々な事実を自身の手で紐解き、そして突きつけられるのがとてもよい。
2だと主人公じゃない人間のみが情報を見て、処分した上でひっかきまわしてくるのが癪に障る。
また、シリーズにおける、ある「絶対的な存在」のために後の作品の結末が蛇足になりがちで、
シンプルにまとめられている1が好きですね。
他にも、セクション間の移動が簡略化されている2と比べ
1では足を使うことを結構求められるのですが、移動中に目に入る様々な箇所に
「いつ行けるんだろう?」と期待が膨らみ、その先に行けたときの世界の広がり方にワクワクさせられます。
閉鎖空間なのに世界が広がったように感じるのは上手い。
未プレイのかたはこの機会に是非。
2017.05.18 発売
© Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
ニュー ダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期
【新章開幕!!嘘、ハッタリ、騙し合い、
もてる言葉のすべてを使って論破せよ!!】
上述の『ダンガンロンパ』シリーズの3作目。
「新章開幕」を謳っていますが、過去2作のネタバレをガッツリ食らうので要注意。
本作は「嘘」がテーマになっているようで、議論の中で「偽証」をすることが新たに出来るようになりました。
ですがこれはいまいち活躍しなかった印象。
学校のテストだと、正解は1つなのに対し不正解(嘘、偽り)は無数に存在するように
偽証をする際の選択肢は非常に多い。
だから自分からは上手く使って行けず、結局ゲームから誘導されて偽証をして終わりました。
難易度が高いぶん、議論の細部が少し変わる「裏ルート」へ入るのがメインな役割・・・。
最終章の中盤くらいから「あること」を「嘘だ」とけちょんけちょんに貶め、「現実」へ帰れと
幾度も主張されたのは正直興ざめ。今までもこれからも、全てが何だったのかと思わされる。
コロシアイに関するメタ要素が並べられてた同章前半部はまあありがちだよね、と納得しながらプレイしていたが、
「嘘」と「現実」の二項対立がしつこくあーだこーだなってきたあたりから惰性でプレイしてた。
ここでどう感じるかはプレイヤーによって分かれそうです。
似たような結末のある『バテン・カイトス』は好きなんですけどね。展開の内容が問題か。
しかし相変わらず物語は良い。
5章解決時の寂しさはシリーズの中でも光るものがあると思いましたね。
普通の「学園生活」ならあったかもしれない、「あのこと」を描いていたから・・・。
2017.01.12 発売
© Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
追放選挙
【3日に1度、誰を "追放する"(殺す) のかを決める "選挙"(デスゲーム)
これは、復讐の物語】
発売前から『ダンガンロンパ』のフォロワー臭が漂っていましたがその通りでした。
閉鎖空間に生き残った13人。
初めに、主人公の妹が殺された。
主人公の目的は、妹を追放した(殺した)9人への復讐。
※幼馴染及び記憶喪失の少女を復讐対象から外しているので9人
追放は「選挙」によって決定されます。
その選挙の内容とは、ある議題の討論でどちらに票を投じるか。
討論はLINEのような表示でリアルタイムに流れていき、
怪しげな発言や矛盾があればそこに切り込み、自身を優勢にしていくのが基本です。
まずは欠点から。
・議題に賛成か反対かの立場を決めることができない
主人公は復讐の目的があるのと、ゲームマスターとの約束で必ず選挙に出ることになるのですが、
与えられるお題への立場はゲーム側で勝手に決められてしまいます。
なので、私達プレイヤーとゲームの主人公で、議題へのスタンスや意見が食い違う可能性があります。
反対意見を持ちながら進めるのは、あまり気分はよくなかったです。
・選挙パートがお粗末
『ダンガンロンパ』ほど議論の幅が無く、制限時間的な意味でも厳しい。
最終局面では【謎のノイズが走った!→犯人目線で自白を促す選択肢出現→はい自白~】という謎展開。
これについては理由が説明されません。
議論の趨勢が決まるかという場面でこれが発生して、なし崩し的に勝ちが決まるので気分がよくない。
・選択肢がほしかった
とある場面で、あることをしたのは誰か?と問われる、重大な質問をされます。
ここは『EVE burst error』のラストのように、犯人の名前を自分で入力したかった。
次に、本作の最大の評価点にして、他のADVと一線を画す点
・誰を追放するかを(ある程度)自由に選べ、追放順により人間関係や物語に変化が起きる
こういった物語では、追放される順番は往々にして筋書きがあるものですが
本作ではここが自由なのです。誰から追放してもよいのです。
そして、誰がいなくなったかにより、展開される人間模様が変化していきます。
(物語の最終的な着地点は変わりませんが、その間で起きる諸々が変わっていくわけです)
例えば、絶妙な三角関係の間柄から、ひとり欠けたらどうなるでしょう?
欠けるのは、三角のどの頂点でしょう?これだけで数パターン出来上がります。
そして、残された人々には、その頂点がいなくなったからこその変化が起きます。
この変化のパターンは1300通り以上存在しており、
プレイヤーによって全く異なる体験をよりしやすい作品になっている。
色々な意味で、「一周したらおしまい」では終わらないのが本作なのである。
本作は、追放順によって変わっていく人間関係を楽しむゲームとも言える。
(というか、周回プレイ時には選挙をスキップ出来るのでそれが本番・・・。)
あまりよい評価を聞かないので力を入れてみました。
人間観察デスゲームアドベンチャー。紹介順に他意はないですよ、うぷぷぷぷ。
2017.04.27 発売
© 2017 Nippon Ichi Software, Inc.
Chaos;Child らぶ chu☆chu!!
【目指すはラブでchu☆chu!!なリア充ライフ!?
そして。僕は、このくそったれなゲームを…リタイアします】
『Chaos;Child』のファンディスク。
『Chaos;Child』の前作にあたる『Chaod;Head』にも『Chaod;Head らぶ chu☆chu!!』という作品がありましたので
タイトルはこのシリーズの伝統行事という感じでしょうか。
『Chaos;~』系は、思春期のエログロな「妄想」がキーとなっているので、それをエロ方向に振っています。
ファンディスクで外伝っぽい感じを出していますが、ちゃっかり後日談になっています。
まあそれは置いておいて、描写は最近の家庭用ゲームの中ではかなり攻めていますね。
CERO:D のギリギリを行っているのではないでしょうか。
そんな感じです。
妄想内容によって主人公くんのアレの質が変わっているっぽい謎。
2017.03.30 発売
© MAGES./5pb./RED FLAGSHIP/Chiyo st. inc © 2008 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP
Chaos;Child
【―そして。僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。】
※画像は Xbox ONE 版
ファンディスクを紹介するなら、元も紹介します。
『Chaos;Head』『Steins;Gate』『Robotics;Notes』に続く、「科学アドベンチャーシリーズ」第4弾。
『Chaos;Head』の6年後が舞台ですが、本作から入っても問題ないように出来ています。
前作もやっていたらニヤリとできますよ、くらいです。
主人公は高校の新聞部員。この頃渋谷で起きている猟奇殺人事件が
『Chaos;Head』でも起きた連続猟奇殺人と日付が一致していることに気付く。
マスコミも気付いていないこの事実、特ダネを求めて事件を深追いしていくことに。
しかしそれは、穏やかな日々・大切な家族が壊れていく始まりに過ぎなかった・・・。
科学ADVシリーズはこれまで、仲間への熱い想いや友情といったものが物語の中にあったと思いますが、
今回はそれに加え、「家族」間の絆をも描いています。
新聞部の仲間達と、事件を追う日々。
家族の温もりを感じる時間。
それらはやがて、得体の知れない闇に蝕まれ、崩れていきます。
食まれていくのが徐々に徐々に、という具合で「内面に迫る怖さ」があるのが特徴だと思います。
じわりじわりと、心が恐怖に蝕まれていきます。
分岐の方法として、前作から健在の「妄想トリガー」
・・・特定の場面で良い妄想をするか、悪い妄想をするか、はたまた何もしないかを選ぶ に加え
新たに「マッピングトリガー」が追加されました。
これは刑事ドラマでよくあるような、地図上に正しい事件現場や被害者の写真を選択していく、というもの。
意外と自分で選んでいる感がありますし、物語を追っていないとわからない+物語の理解にも繋がっていると思います。
『Steins;Gate』の「フォーントリガー」(携帯電話のメールにどう返信するか、着信にどう対処するか)のように
ストーリーの中で自然と選択をさせていて、ゲームにとけこんでいて良い。
科学ADVシリーズは、一般的なADVの一般的な「選択肢」の形を廃そうと努力している気がします。
物語は、同シリーズの『Steins;Gate』で培った「いいところで切る」手法が用いて展開され、
更に裏切りに裏切りの連続で、全く先の読めないものとなっている。
最初の段階で、誰がこの結末を予想出来ただろうか?
誰が、こんな「くそったれなゲームだった」と見抜くことが出来ただろうか・・・?
プレイ後、本作のキャッチコピーが心に刺さるはずです。
―そして。僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。
PS4/PS3/PSV版 2015.06.26 発売
Xbox ONE 版 2014.12.18 発売
© 2014 MAGES./5pb./RED FLAGSHIP/Chiyo st. inc © 2008 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP
第3弾はここまで!現在14本紹介済み。
しかし、記事を書いている最中にも次々とADVが発売してきます・・・。
ゲームのクリア+記事執筆速度と新作発売間隔、上回るのはどっちだ!?
次回は「次世代恋愛ADV」含む、恋愛ADV特集になりそう。お楽しみに。
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