新ブログ初となる PlayStation 4 向けの新作紹介!
新作と言っても既に発売からかなり経ってしまいましたが気にしない!
今回はどれも良作と言える作品が揃っています。
EVE rebirth terror
【バーストエラー事件から1年。
失踪した教師、死因不明の遺体、再び起こる謎の事件。
二人の運命は、また新たな悲劇を辿る……。】
名作マルチサイトADV・『EVE burst error』の続編。
同シリーズは『ZERO』『The Lost One』『TFA』『new generation』と展開されてきましたが、『rebirth terror』は PSV や Switch で初代のリメイク『burst error R』を発売している El Dia 社謹製の続編。
キャッチコピーにもあるように、本作は初代である『burst error』の1年後を描く物語。その1年前の事件と密接に関わりがあるので、いきなり本作に入るのはあまりオススメできません。
PS4 版ならば『burst error R』も同梱されているので、是非そちらをクリアしてから遊んでくださいね。
さて本作の面白さですが、これを言葉にするのは非常に難しい!
・飽きさせないテキストの美しさやノリとゲームテンポ。
・それを複数主人公でやっているのにも関わらず、一歩ずつ前進する手応え。
・マルチサイトを活かした、繋がりそうでなかなか繋がらない、事件の妙。
・一方では、ある視点での出来事を別の視点から見ると、というロジカルな繋がり。
・そして互いに微妙に影響を及ぼし続けて、高まったところでそれが交わる興奮。
これらの要素が美しく織りなされて、本作独自の面白さを形成していると感じられました。
テキストで言うと、無駄な行動に対してもちゃんとした、ユニークなリアクションが返ってくるのが楽しい。
「脱ぐ」を選択すると、「公衆の面前で~」みたいに怒られるが実際に脱ぐのは靴で、「何だと思ったの?」と逆に切り返すなど。
このような小さな楽しさも詰め込まれていて、まさに『burst error』の続編だなという印象。
進行は昔ながらのコマンド総当りなのだが、『burst error』と比べると随分簡略化されており現代に合わせて作られている一作。
さてそんな『EVE』シリーズですが、私は『burst error』しかプレイしたことがないのです。
他は持っているのですがどれもあまり評判が良くないのもあり…。
しかし、『rebirth terror』の立ち位置や「EVEらしさ」とは何かを追い求めるため、シリーズの過去作をプレイしようと思います。
本作の詳細なレビューは、またそのあとお届けします!
2019.04.25 発売
(C) HOBIBOX / el dia
夢現Re:Master
【あなたの世界をほんの少し拡張するかもしれない、世界(ゲーム)創造の物語。】
「ゆめうつつ・リマスター」と読みます。「むげんリマスター」ではない。
ゲーム会社を舞台としたガールズラブゲーム。いわゆる「百合ゲー」。
Switch でも配信されている『白衣性愛情依存症』などの百合ゲーを送り出してきた工画堂スタジオ渾身の最新作!
ゲーム制作のデスマーチ具合や、女性だからこその「性」を売り物とする様子までも描かれており、物語のテーマに新鮮みがあります。
特に筆者は元々ゲーム会社勤務だったので、制作の苦しみを吐露する数々のシーンは痛いほどわかる。
怠惰だけど凄まじいプロ意識を持ち、ディレクターにもガツンと言えるシナリオライターの無限堂さきさんは好みですね。
制作の話がガッツリ出てくるのが彼女のルートなので、自身の経歴もあって感情移入しがちかもというのはありますが。
声優の卵であるバナナメイドちゃんのルートも良かった。あと工画堂スタジオ作品恒例のバッドエンドも見ものです。
また、女性同士だからか、目当ての女の子が他の子とキスをしていてもそれを汚いとは思いませんでした。
描き方が上手いのもあるかもしれませんが、これが一般的な恋愛ADVだったらおぞましいものになるでしょう。。。
前項とも少し繋がりますが、「性」の要素もこれにあたりますね。男に置き換えたくない。どっちも。
ちなみに本作の世界には女性しか存在していません。ペットのワンちゃんもメスです。
さて本作、女の子同士の恋愛を楽しむだけでは終わらないのです。
ゆリマスター全クリ。
— いりえ (@IriethotADV) 2019年6月16日
こころルートやばいわ。タイトルも綺麗に回収してくれたし、何より「魂」の一作だと感じた。
クリア後すぐツイートした、美しい「タイトル回収」とはなにか。「魂」の一作とはなにか。2019年に発売されたソフト群では、そのシナリオの出来において上位クラスだと思います。
是非キミの目で確かめてみてくれ!(Vジャンプ攻略本)
2020年春に DLC 『夢現Re:After』が配信予定!
2019.06.13 発売
(C) KOGADO STUDIO
AI: ソムニウム ファイル
【殺したのは…AIがほしかったから…】
Infinity や極限脱出シリーズで知られる打越鋼太郎氏によるミステリの最新作が登場!
廃墟となった遊園地のメリーゴーランドで、左目の無い遺体が発見された。
その遺体は主人公の知り合いだった。何故彼女かこんなところで?こんな形で殺害されたのか?
それは不可解な連続殺人事件の始まりに過ぎなかった。
ポイントは「2Dのポイント&クリック式」と「3Dの探索型」という両ADVスタイルの融合。
前者はキャラ・背景・オブジェクトは全て3Dモデルで表現されているリッチな作りで、その上を2D的にカーソルを移動させる。
リアリティがあるのは、キャラクターの会話シーン。
モーションを取るだけではなく、しっかり「話している相手に目線を合わせて」喋るのだ。
ADVで主流の立ち絵表現だと、多くの場合はキャラの正面の絵しか存在しないが、3Dである本作にそのようなことは一切無い。
本当に会話をしているようなリアリティのある表現がポイントだ。
後者は「ソムニウムパート」と呼ばれ、三人称視点でダンジョン内を探索するもの。
意外と骨太な探索・謎解きがあるのに加え、制限時間も存在する。
総当りしていてはゲームオーバーになってしまうため、よく考えて行動しなければならない。
シナリオ分岐は基本的にこのパート内で行われ、意外な選択がその鍵になっていることもある。
2Dのパートは細かに作り込まれ、3Dのパートでは思考・試行に迫られる作りとなっており、ADVにおける両者のスタイルが良い方向に発展している一作。
シナリオも、やや都合の良さは感じてしまうものの、次が気になってやめ時が見つからない熱中させるものとなっている。
本作について詳しくは個別レビューの記事へ!
2019.09.19 発売
(C)Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
アメイジング・グレイス
【「愛しの君へ 明けない聖夜の祝福を―」】
クリスマスの夜、街が崩壊する悲劇が起きた。
それを回避すべくタイムリープを重ねるうち、この街の真実へ迫ることになる。
固有ジャンルは「エンドレスクリスマスADV」。いわゆる「ループもの」。
Infinity シリーズからアドベンチャーゲームに入った身としては、好きなジャンルでもあるし見慣れたジャンルでもある。
が、本作は「ループにおける恋愛」を美しく描けており、また1つ面白い物語を見られたというのが率直な感想。
ループもので大切だと私が考えている「世界の謎が明かされていく過程」も、
解けたと思ったら新たな謎がまた出てくるなどしっかり描かれています。伏線回収力も very good!
舞台となっている街を構成する世界及び世界観も、よく練られていて素晴らしい。
本作は【プロローグ→事件編→個別エピソード→種明かし】という流れとなっていますが、
この種明かしで語られたとある事実には震えました。個人的に種明かし中には4回驚愕しましたが、先述の事柄が一番の驚きでした。
「よくある省略描写だと思っていたら意味があった」だなんて、予想もつきませんでした...。よく考えますねえ。
惜しむらくは、怪しい人物や一部の原因結果がある程度予想出来てしまうこと。
このあたりも予想がつかないものだったら更に良かった。
(ADVに慣れすぎたせいで伏線が読めてしまうのも原因かもしれない)
「ループにおける恋愛」「届かない恋ゆえの悲痛な想い」。このあたりの描写がとにかく素晴らしい一作でした。
実は本作は選択肢が殆ど存在せず、通常ならば良い評価をしないパターンのゲームなのですが、やはりその構成力から良作と言わざるを得ません。
選択肢が無いながらグランドエンドまで15時間もかからない手軽さも好感触ですし、これほどの世界を中篇程度の長さで表現しきったのも見事。
一本道で1ルート終えるまで8時間とかかかる地獄のような作品もありますからね・・・。
恐らくギャルゲー慣れしてるひとほど疑問に思う「なんでここはアレが無いのか?」に対する答えが、許しの歌である『アメイジング・グレイス』とともに現れる演出は、「来たかぁ!」となること必至。
2019年発売の中では、間違いなく上位レベルの1本!
2019.09.26 発売
(C) きゃべつそふと/dramatic create
以上、良作揃い・4作の紹介でした!
資金切れ→全部は買えないとなってしまったため、プレイ出来ていない作品が山程あるのが悔しいですが、やれる限りこの記事は続けていきます。
次回は恐らく4月あたりに出ると思います。どの作品が来るかお楽しみに!
あと、こんなものもはじめました。
前回の記事はこちら